東芝の臨時株主総会の会場に入る株主ら=30日午前、千葉市美浜区の幕張メッセ(早坂洋祐撮影)【拡大】
「土光さんの墓前で土下座するべきだ」「謝罪に誠意が感じられない」「3悪人(辞任した歴代社長)に責任を取らせろ」…。
利益水増し問題を受けて30日に幕張メッセ(千葉市)で開催された東芝の臨時株主総会では、株価下落や無配転落を背景に株主の怒りが噴出。不規則発言も相次ぎ、荒れ気味の総会は終了まで3時間50分かかり、同社にとって過去最長となった。会社が提案した取締役11人の選任案は承認されたが、室町正志社長ら問題が起きた当時からの取締役に対しては特に厳しい声が上がった。
会社側は総会の前半、利益水増しを受けた過年度の決算の修正について説明したが、途中で説明者の言葉が突然、止まった。
モニターで視聴している報道陣にははっきり聞こえないが、説明に使われている表が手元の資料に載っていないことを指摘する発言が出たようだ。指摘はすぐに怒号に変わり、議長を務める室町社長は「ご静粛にお願いします」。早くも会場は騒然としてきた。
事前の質問に答えた後、株主の質問が始まった。1人目は「(経営陣は)まるで人ごとのようだ。単なる組織変更ならダメだ」
室町氏は「組織の新設だけではなく、魂を入れたかたちで経営していきたい」と答えたが、その後、再び不規則発言が出て質疑はストップ。「緊急動議でございますか。不規則発言は禁止致します」と呼びかけるのが精一杯だった。