日本貨物鉄道(JR貨物)と豊田通商は5日、タイにおける鉄道貨物輸送事業に乗り出すことを明らかにした。両社が海外の鉄道貨物事業に進出するのは初めて。年内のASEAN経済共同体の発足で、拡大する物流市場の取り込みを図る。鉄道インフラ輸出を目指す政府も支援を決めており、官民一体で事業化にこぎ着ける考えだ。
両社はタイ国鉄と事業化に向けた調査実施で合意。タイ国鉄が保有するバンコクやカンボジア国境と同国最大の港湾であるレムチャバン港を結ぶ総距離約470キロメートルの路線を活用する。国境付近の発着点は国際幹線道路の「南部経済回廊」にほど近く、ベトナムやカンボジアなどからトラックで運ばれた貨物の引き受けも検討する。
現在、タイの物流はトラック輸送が中心だが、インフラ整備の遅れから、特に都市部や国境付近で渋滞が常態化しているほか、排ガスによる大気汚染問題も深刻化。ただ、同国の鉄道は遅延が少なくなく、タイ政府が期待する代替輸送としての役割を果たせておらず、タイ政府は日本政府側に貨物鉄道の整備支援を要請していた。