【会社概要】浪華ゴム工業
▽本社=奈良県大和高田市曽大根2-6-1((電)0745・52・5681)
▽設立=1948年
▽資本金=4500万円
▽従業員=200人
▽売上高=18億円
▽事業内容=医療用ゴム・プラスチック製品、工業用ゴム製品、水枕の製造・販売
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≪インタビュー≫
□大島勲社長
■「普通のことを普通にやるだけ」
--医療用製品の開発での難しさとは
「事故があってはならないものなので、必要以上に精度や耐久性を追求しなければならない。『これが正解』というものはないので、何度も失敗を繰り返して形にするしかない。やっとの思いで完成させても、認可が下りるのに何年もかかり、すぐに現場で使ってもらえず、苦い思いをすることもある。だが、そういう苦難を乗り越えて現場で使ってもらえると、達成感がある」
--世界最先端の製品開発につながったのは
「普通のことを、普通にやるだけ。カートリッジ式血液回路もメーカーの要望に応えよう、患者のために良いものを作ろうと考えて取り組んだ結果、完成させることができた。特別なことをするのではなく、失敗して、改善して、こつこつと積み上げて良いものを作る。今ある技術も、創業者が天然ゴム製の水枕を開発して、その技術を長年磨いてきたものの延長で完成に至った」
--どのような社風か
「社員は奈良県民が9割なので、地道に取り組むのが得意。一方、何にでも挑戦してみるという風土もある。『シリコン製の水枕を作ってみたい』という社員がいたのでやらせてみたら、良いものができたので昨年発売した。『世界一を目指そう』というようなガツガツした雰囲気ではないが、他社に負けない良いものを作ろうという熱意はあるし、負けていないという思いもある」