母と子供が間違ったペアの場合、LEDが赤く点灯してアラームが鳴る=東京都台東区の永寿総合病院【拡大】
赤ちゃんが連れ去られたり、取り違えられたりする悲劇は、何もドラマや映画の世界だけではない。海外だけではなく国内でも、仙台や北九州で連れ去り事件があった。こうした事態を未然に防ぐため、サトーホールディングスグループのサトーヘルスケアは、「赤ちゃん見守りシステム」を開発。ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院(東京都台東区)に納入した。サトーは今期だけで5カ所の病院への導入を目指す。
海外の場合、出産時は個室に入院し医師の診察も個室で行われるケースが多い。これに対し日本では、赤ちゃんを1カ所に集めて医師が診察を行うケースが一般的だ。また、両親への子育て指導などで赤ちゃんを集めるケースが多く、「誤認リスクをいかに低減するかが重要な課題」(永寿総合病院の小林さつき・看護部科長)となっている。
新システムは電波を使って物品や人物を自動識別する「RFID」技術を活用。母親、赤ちゃんの足首、幼児用ベッドの「コット」に取り付けたRFIDタグをマッチングさせ、取り違えが発生するとLED(発光ダイオード)ライトと音で警告し、医療現場のケアレスミス“ヒヤリ・ハット”を解消する。