アドソル日進 「感震ブレーカー」販売に本腰 政府の25%普及目標が追い風 (1/2ページ)

2015.12.2 05:00

子機の電源遮断装置「シャットさん」。親機からの通知で、電気器具の電源を自動的に遮断して電気火災を防ぐ

子機の電源遮断装置「シャットさん」。親機からの通知で、電気器具の電源を自動的に遮断して電気火災を防ぐ【拡大】

 無線通信を活用した商品開発を手掛けるアドソル日進は、強い地震のときに揺れを感知して電源を自動的に遮断する「感震ブレーカー」の販売を本格化させている。今年3月に政府が震災時の減災のため、2024年までに25%の普及率を目標として掲げたことで、一躍注目を浴びるようになった。大手IT商社や建築資材会社、防災機器販売会社などからの問い合わせが増え、まとめて100セットといった大量発注にもつながっている。

 感震ブレーカー「グラッとシャット」は、親機と子機を連動させて使用する。親機の感震センサー「グラットくん」が震度5強相当以上の揺れを感知すると、子機の電源遮断装置「シャットさん」に無線で通知し、電気器具の電源を自動的に遮断して電気火災を防ぐ仕組み。

 使うときは最初に初期設定をする。誤って衝撃を与えないよう、親機をエアコン用コンセントのようななるべく高い位置に設置する。子機は実際に使用するコンセントに差し込み、電熱器などのプラグを接続する。地震が発生すると「揺れを感知しました」「コンセントを切りました」という音声で知らせ自動的に遮断する。子機に差し込んだコンセントだけが対象なので、照明や冷蔵庫、医療機器など震災時でも必要な製品の使用に支障を来すことはない。

 家庭のコンセントに接続するだけで工事は不要。親機1台に対して最大20台まで子機を連動させることができる。標準価格は親機と子機のセットで約1万2000円。

 阪神大震災と東日本大震災では、電気器具が関連した火災が60%を超えたことから、感震ブレーカーの有用性は明らかだ。現状での普及率は数%程度と推定されることから、急速な普及が見込まれている。

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