経営再建中の東芝が売却を検討している医療機器子会社について、日立製作所が買収を検討していることが30日、分かった。東芝の医療子会社は、診断装置などを手掛ける東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市)。東芝は来年1月にも入札を実施し、3月末までに売却先を決めたい考え。東芝メディカルをめぐっては、国内外の複数の医療機器メーカーが買収に関心を示しており、買収額が高騰する可能性もある。
日立は、子会社の日立メディコ(東京都千代田区)が磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)を手掛けているが、世界シェアは数%で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)ヘルスケアや独シーメンス、オランダのフィリップスの世界3強の後塵(こうじん)を拝している。
一方、東芝メディカルのCTの世界シェアは、GEヘルスケアとシーメンスに次ぐ3位と高い。
現在、日立はヘルスケア事業を強化しており、同事業の売上高を2014年度の3379億円から18年度に6000億円に引き上げる計画。これに向けて東芝メディカルを買収し、世界3強を追い上げたい考えだ。