「お得!」。4月から福岡、熊本、長崎の3県で家庭向け電力小売りに参入する西部ガスのホームページでは、買い物に使える共通ポイントを電気料金に応じて提供するサービスを直球でアピールしている。「Tポイント」「Ponta(ポンタ)」「楽天スーパーポイント」など6種類から選び、200円ごとに1ポイントをもらえる仕組みだ。
新規参入組だけでなく、顧客流出を防ぎたい東京、東北、関西などの大手電力も共通ポイントとの提携に力を入れている。還元率は各社で異なるものの、毎月の支払いで着実にポイントがたまるだけに消費者にはうれしいサービスになる。
一方、Tポイント・ジャパンの担当者は「究極的には全ての消費にポイントを関与させるのがわれわれの目標だが、これまで光熱費は難しいとみられていた」と指摘する。電力市場は規制に守られ競争原理が働きにくく、新たなサービスが入り込む隙がなかったのだ。
今回、電力で道が開けたことを受け、1年後の2017年4月に全面自由化を控えた都市ガス市場でも提携先を広げる構え。ポイント好きには朗報が続く。
共通ポイント以外にも、昭和シェル石油が系列給油所でガソリン代を1リットル当たり10円値引く料金プランを用意するなど、自由化に伴い業種の垣根を越えたサービスが広がる。クルマを日常の足に使う人は電気料金を多少値引きされるより影響が大きい可能性もある。生活スタイルに合わせて有利なプランを選びたい。