終戦後から創意工夫を重ねた「えきそば」 うどんでも日本そばでもない姫路駅名物 (1/7ページ)

2016.4.21 05:00

えきそばの調理。限られた時間で食事をする利用客が多いため、スピードが求められる

えきそばの調理。限られた時間で食事をする利用客が多いため、スピードが求められる【拡大】

  • 竹田佑一社長
  • 「但馬牛牛めし」(右)と「名代あなご寿司」

■【兵庫発 輝く】まねき食品「えきそば」

 1日10万人弱の乗降客が行き交うJR姫路駅(兵庫県姫路市)。最近は世界遺産・姫路城目当ての外国人観光客も多い。電車を降りてすぐに目に入るのが「えきそば」の文字。戦後の混乱期から現在に至るまで、駅の利用客から愛され続けてきた「姫路のソウルフード」だ。「姫路で育てていただいたからこそ、今のえきそばがある」。こう語るのは食品製造販売会社「まねき食品」(同市)の竹田佑一社長(70)。近年は姫路だけにとどまらず、関西圏を視野にえきそばの売り込みを本格化させるなど、攻めの経営にも着手している。

◆試行錯誤の末に

 まねき食品の原点は1888年。姫路で茶店「ひさご」を営んでいた竹田木八が、山陽鉄道(現JR西日本)の兵庫-姫路間の開通に伴い、「まねき」の店名で姫路駅構内での弁当の販売許可を得たことに始まる。

 翌年から、芝居見物の際の幕あいに食べる幕の内弁当にヒントを得た、幕の内駅弁の販売をスタート。おかずにはタイの塩焼きや焼きかまぼこ、タケノコやきんとんなど、当時としては高級な食材を取り入れ、にぎりめしが主流だった駅弁に新しいスタイルを提供した。

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