大工の棟梁(とうりょう)として創業し、400年の歴史を持つ竹中工務店の仕事を通じ、日本の近代化の過程を「建築」の視点から眺望する「竹中工務店400年の夢-時をきざむ建築の文化史-」展が東京・世田谷区の世田谷美術館で始まった。観覧料は一般1000円。6月19日まで(月曜休館)。
1610年に創業した同社の棟梁精神は明治期以降の近代的建築業に脈々と受け継がれ、設計と施工が一体となった業態に進化しながら世界に活躍の場を広げている。今回は、その長い歩みの中で創造された代表的な建築作品を「はじまりのかたち」「出会いのかたち」「はたらくかたち」「夢を追うかたち」「暮らしのかたち」「感性を育むかたち」「時を紡ぐかたち」「これからのかたち」という8つのカテゴリーに分類し、写真や模型、図面などを紹介。各作品がつくられた時代の景色や造形感覚を反映した美術作品、宣伝材料などのグラッフィック資料も数多く展示している。
開催期間中は関連企画として講演会や対談、ワークショップなど多彩なイベントが用意され、29日には建築家の藤森照信氏、5月3日には堂宮大工棟梁の小川三夫氏の講演が予定されている。問い合わせは、世田谷美術館((電)03・3415・6011、URL=http://www.setagayaartmuseum.or.jp/)へ。