
三陽商会が昨年7月に立ち上げた「マッキントッシュロンドン」の1号店=横浜市港南区の京急百貨店【拡大】
アパレル大手の三陽商会が、45年に及ぶ英バーバリーとのライセンス契約を昨年6月末に終了してから1年がたった。売上高のほぼ半分を稼いでいた主力ブランドの抜けた穴は大きく、後継事業として立ち上げたブランドも販売が計画の約8割にとどまっている。百貨店を中心に衣料品市場全体の販売不振も重なり、全部で21ある取り扱いブランドの多くで売り上げが前年を下回る状況。6月24日には希望退職の実施を打ち出さざるを得なくなった。消費回復の兆しが見えない中、成長軌道への復帰を目指し正念場が続く。
認知度に大きな差
「もっと認知度を上げていかないといけない」
三陽商会の佐久間睦専務執行役員は、新ブランド「マッキントッシュロンドン」の2年目に向けた課題をそう話す。
マッキントッシュは英国の老舗ブランドで、現在は日本の八木通商が保有。布地の上にゴム素材をコーティングした「ゴム引き」のコートで知られる。三陽商会は2007年から主に30代向けのブランド「フィロソフィー」を展開してきた。バーバリーを失った同社が、その上位ブランドとして昨年7月に立ち上げたのが「ロンドン」で、ファッションに関心の深い45歳以上の男女を主要なターゲットに据えている。