爆買いバブル崩壊の“落とし穴” ラオックス、百貨店…積極策が完全に裏目 (4/4ページ)

 政府は20年に2000万人を掲げた訪日外国人観光客の目標の年内達成が確実となったことから目標を一気に4000万人に倍増し、「観光先進国という新たな高みを実現する」(安倍晋三首相)とインバウンド需要拡大を成長戦略に位置付ける。

 確かに、7月の訪日外国人観光客は前年同月比19.7%増の229万7000人と月間として過去最多を更新し、増勢を維持している。20年開催の東京オリンピック・パラリンピックの効果も十分期待できる。

 しかし、円高基調の定着もあり、この勢いがこのまま維持できるかは不透明だ。さらに爆買いが鳴りを潜め、さらにインバウンド消費も「モノ」から「コト」に移行するなど変質を遂げており、数を追うだけの政策はいずれ壁にぶち当たる可能性は否めない。

 (経済ジャーナリスト 水月仁史=文)(PRESIDENT Online)