
安全祈願・起工式であいさつするJR東海の柘植康英社長=1日午前、長野県大鹿村【拡大】
JR東海は1日、2027年に東京・品川-名古屋で先行開業を目指すリニア中央新幹線計画のうち「南アルプストンネル長野工区」の安全祈願・起工式を長野県大鹿村で開いた。昨年12月の山梨工区に続く着工で、最難関のトンネル建設が本格化する。
国の認可から2年以上が経過したリニア建設は、今年1月に東京・品川駅の地下に設ける新駅を本格着工するなど各地で工事が進む。ただ一部の沿線住民らは環境悪化への懸念から反発し、先行きには不透明感も漂う。
1日の安全祈願・起工式には駅が建設される長野県飯田市や、ルート上の自治体関係者ら約100人が出席。JR東海の柘植康英社長は「地元の皆さまの生活や環境を保全し、連携して工事を進める」とあいさつした。
阿部守一知事は「リニアは長野県に大きな経済効果をもたらし、地域振興の契機になると期待している」と述べた。会場周辺では、着工に反対する横断幕などを掲げる住民らの姿も見られた。