ジーンケア研究所、抗がん剤の実用化目指す 老いの仕組みヒント (2/2ページ)

開発中のヘリカーゼを取り除く核酸試薬「RECQL1ーsiRNA」
開発中のヘリカーゼを取り除く核酸試薬「RECQL1ーsiRNA」【拡大】

 紆余(うよ)曲折が続くジーンケアの研究開発に注目し、評価しているのが埼玉医科大学国際医療センターの藤原恵一教授だ。同社でのマウスによる実験データを見て、「正常細胞まで傷つけるような副作用の危険性はかなり低い」と判断。共同研究をスタートさせる。

 藤原教授が念頭に置いているのは、末期がんの患者に多く見られる腹水貯留の改善。腹水がたまると内臓が圧迫され、思うように食事が取れず、体の衰弱が一気に進む。患者のQOL(生活の質)を致命的に低下させる症状だが、現状では有効な治療薬はなく、腹水を定期的に抜く対症療法しかない。藤原教授は「副作用のない薬を腹腔内に直接投与して腹水をコントロールできれば、患者のQOLが高められる。食事が取れれば体力も付き、結果として延命につながる可能性もある」と話す。

 腹水貯留に悩むがん患者は国内に10万人とされるが、実は「製薬会社からも国からも見放されたアンメットニーズの領域」(高橋社長)だ。藤原教授とジーンケアは臨床試験に向けて、16年12月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)の事前面談を受け、今年4月には対面助言を予定、18年の臨床試験開始を目指す。

 高橋社長は「少しでも早く、実用化への道筋を立てて、がん患者やその家族、さらに医師の役に立ちたい」と話す。

                   ◇

【会社概要】ジーンケア研究所

 ▽本社=神奈川県鎌倉市梶原19-2 テコム第二ビル

 ▽設立=2000年12月

 ▽資本金=1002万6000円

 ▽従業員=7人

 ▽事業内容=核酸医薬品の開発