出光創業家の新代理人がデビュー 合併反対変わらず「条件闘争ではない」

記者会見する鶴間洋平弁護士=1日、東京都千代田区
記者会見する鶴間洋平弁護士=1日、東京都千代田区【拡大】

 石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油の合併が出光創業家の反対で延期になっている問題で、新たに創業家の代理人に就任した鶴間洋平弁護士が1日会見し、「代理人の交代で反対の立場が変わることはない」として出光経営側に引き続き合併の撤回を求めていく考えを鮮明にした。さらにお家騒動が長引くことが確実となり、株式市場などに影響する可能性もある。

 鶴間氏は浜田卓二郎弁護士の後任として2月8日に代理人に就任。出光昭介名誉会長らから依頼を受けたというが、就任経緯や理由は明らかにしなかった。経営側から依頼があれば代理人同士の話し合いには応じる意向だが、「条件闘争しているわけではないので、どんな条件が出されても合併に賛成することはない」と強調した。

 合併に反対する理由については、社風の違いや昭シェルの株主であるサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」からの出資でのみこまれてしまう恐れがあることなどを挙げた。6月に予定される出光の定時株主総会に合併を進める月岡隆社長ら取締役の解任決議案を提出する考えはないものの、「それまでに合併の断念を判断してくれるはずだ」と経営側をけん制した。(古川有希)