「宇宙大好き」サラリーマンやOL、学生らが小型衛星開発、打ち上げを目指す (2/2ページ)

衛星を自撮りするというミッションを課したリーマンサット・プロジェクト1号機の模型
衛星を自撮りするというミッションを課したリーマンサット・プロジェクト1号機の模型【拡大】

  • ものづくりに詳しくない人でも参加できるリーマンサット・プロジェクトの例会=東京都内

 2つの衛星とも宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション補給機「こうのとり」に国際宇宙ステーション(ISS)まで運んでもらい、そこから高度400キロの宇宙に放つという想定だ。

 小型衛星の開発を通じて得た経験や知見はその後に生かされる。菅田氏は「解散したとしても、メンバーがそれぞれ別のプロジェクトを立ち上げる。あちこちで衛星開発の動きが進めば、宇宙はさらに身近な世界になる」と話す。

 現時点で、活動メンバーは100人を超えた。年齢層も下は小学6年生、上は60歳代の会社経営者までと幅広い。月1回、東京都内で開く例会には北海道や九州からも駆けつける。

 プロジェクトではポスターや配信用の動画の製作など、広報活動にも力を入れている。ものづくりに詳しくなくても宇宙に関心があれば、誰でも活動できる。事実、文系出身者も少なくないという。

 素人による宇宙開発のハードルは決して低くないが、「メンバーの個性や特技、人脈などをフルに生かす」(菅田氏)ことで乗り越えている。衛星の試作は、メンバーが勤めている都内の町工場を活用する。

 近くクラウドファンディングのサイトを立ち上げ、不特定多数の人から打ち上げ費用を集める試みも始める。「趣味は宇宙開発」と言えるほど、宇宙が身近になる時代が確実に近づいていることは間違いなさそうだ。