
復興の象徴「酪王カフェオレ」などを生産、出荷している酪王(おう)乳業の本社工場。入り口でカフェオレと牛乳、牛のオブジェが迎えてくれた=福島県郡山市大槻町【拡大】
【NEWご当地グルメ】
福島県のソウルフードならぬソウルドリンク「酪王(らくおう)カフェオレ」が、首都圏で人気急上昇中だ。福島の温泉で風呂上がりに飲んだ一杯、県内のコンビニやスーパーで買って飲んだ一杯が忘れられず、「どこで飲めるの?」と探し求める酪王カフェオレファンたち。首都圏で購入できる店舗も登場した。一度飲んだ人を虜にしてしまうその人気の秘密に迫った。
筆者が初めて酪王カフェオレを口にしたのは、福島支局長として赴任していた3年前。東京電力福島第1原発事故の避難酪農家を支援する「復興牧場」の計画発表の場で、会見者の福島県酪農業協同組合(県酪農協)の担当者が、よく冷えた紙パックの酪王カフェオレを手渡してくれたのだ。
思わず「開眼!」の味
会見の行き先を聞いた支局の女性から、「酪王カフェオレ飲めるかもしれませんよ。おいしいですよ。おみやげに持ってきてくださいよ」と声をかけられたのを覚えている。
ストローで一口飲むと、目がぱっちりと開くのがわかった。これを「開眼」というのだろうか。うまい!
この味は何だろう。コーヒーの香りか、それともカラメルか、何か隠し味が入っているのだろうか-。そうこう考えているうちに会見が始まり、当時はまだ、取材活動も原発事故からの復興一色だったから、うまさの秘密の謎は、解き明かされないままだった。