
退任会見するローソンの玉塚元一会長(左)。右は竹増貞信・代表取締役社長=4月12日、東京都港区(伴龍二撮影)【拡大】
ソフトウエア検査などを手掛けるハーツユナイテッドグループは15日、ローソン会長を退くことが決まっている玉塚元一氏(54)が社長に就任すると発表した。6月下旬に開く株主総会後に就任し、創業者の宮沢栄一社長は代表権のない会長に就く。玉塚氏の異分野での新たな挑戦に注目が集まるが、手腕は未知数だ。
玉塚氏は慶応大での学生時代はラグビーの名選手としてならし、1985年に旭硝子に入社。その後、日本IBMでコンサルティング業務に携わったのち、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正社長に請われて同社に入社し、2002年に40歳の若さで柳井氏の後継として社長に抜擢された。しかし、05年に事実上更迭され、企業再生のリヴァンプを澤田貴司氏(現ファミリーマート社長)と創業、共同代表を務めた。
その後、ローソン社長を務めていた新浪剛史氏(現サントリーホールディングス社長)に見込まれ、ローソンに転籍。三菱商事から転籍してきた新浪氏は、自身と同様のプロ経営者としての玉塚氏に期待を寄せた。玉塚氏はスリーエフなど中堅コンビニとの提携を進める一方、高級スーパー「成城石井」を買収するなど多角化を進め、小売り業界でも注目を集める経営者の一人だった。
だが、皮肉にも玉塚氏にとって「歴史は繰り返す」を地で行く展開が待ち構えていた。