
東京都板橋区の高島平にあるUR都市機構の賃貸住宅。同機構は集合住宅の省エネ化に力を入れる【拡大】
気象情報や室内データの分析結果を生かしてエアコンの省エネ運転を遠隔操作する-。独立行政法人、UR都市機構(横浜市中区)は7日、供給する賃貸住宅でそんな実験を10月に始めると発表した。人工知能(AI)とIoT(モノのインターネット)の両技術を取り入れたことが特徴で、インターネットイニシアティブ(IIJ)や日本気象協会、中部電力などの協力を得て実施。2019年までの実用化を目指す。集合住宅の環境対策に一石を投じる試みとして注目される。
実験は、1都3県と愛知県の計約100戸で実施。1年かけて運転状況を検証する。
具体的には、各住宅にあるエアコンのプラグを、室内の温度や湿度、消費電力量を測定する装置に差し込む。そこで得られた各データを、IIJがインターネット上で管理するサーバーに集める。この収集データと日本気象協会の気象データを、民間シンクタンクの環境エネルギー総合研究所(東京都中央区)がAIで分析し、エアコンに指令を出すという流れだ。
分析には、エアコン運転の前日に出る1日分の気温と湿度の予測データを活用。翌日正午に30度以上に暑くなる場合、消費電力を節約するために、涼しい午前9時に室温27度の設定で運転を始めるよう予約できる。同研究所は「温度が高い状態で急に動かすと電力消費が増える問題を避けられる」とし、新技術を使わないケースとの比較で電気料金を約15%削減できるという。