3月期決算の上場企業の定時株主総会が来週から本格化する。最も集中するのは29日だが、開催日を分散化する流れを背景に、集中日に開かれる割合を示す「集中率」は初めて30%を下回る見通し。信託銀行や生命保険会社などの機関投資家は新たに、投資先企業の総会での個別議案の賛否を開示するよう求められており、影響が注目される。活動の実態が見えにくいとの指摘がある相談役や顧問の役割を問う声も強まりそうだ。
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金融庁が機関投資家に適用する行動指針を改定したことを受け、信託銀行や生命保険会社が議決権行使結果の個別開示の方針を打ち出し始めている。先行する三菱UFJ信託銀行の場合、同じグループの三菱自動車が昨年12月に開いた臨時株主総会で、益子修社長ら5人を取締役として選ぶことに反対していたことが明らかになった。議決権行使が目に見える形になり、機関投資家の投資行動に緊張感が出てきそうだ。
三菱UFJ信託は5月末、昨年7月から今年4月までに開催された投資先企業の総会で出た議案への賛否を公表した。