JR九州の青柳俊彦社長は25日、国が開発中のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の九州新幹線長崎ルートへの導入について「採算が取れず、現時点では困難」との認識を示した。与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会に出席後、記者団に語った。
青柳社長は、同社による試算の結果、FGTで全面開業した場合の車両コストは一般的な新幹線に比べ年間約50億円増えることが判明したと説明。抜本的なコスト削減は難しいため採算性は見込めず、長崎ルートへの導入は困難と強調した。
一方で「経験もあるし、フル規格なら自信を持って応えられる」と述べ、長崎ルート全線のフル規格化への期待感をにじませた。
検討委の会合終了後、松山政司委員長(自民党参院議員)は、28日に佐賀、長崎両県知事からも意見を聞いた上で「今後の方向性を出したい」と述べた。