旭硝子は24日、中国・広東省の工場内に、液晶テレビ用ガラス基板の製造窯を建設すると発表した。建屋を含む投資額は160億円程度になる見通し。中国の液晶メーカーが、「11世代」と呼ぶ世界最大サイズのパネル生産を相次ぎ始めるのに対応。同世代専用の拠点として活用する。
旭硝子は、生産効率の高い最新鋭の製造窯を、日本と台湾、韓国のいずれかの工場から、広東省恵州市にある工場に移す方針。
これにより、投資額を通常の約半分に抑えるほか、全体の能力を維持したまま、需要地により近い場所での生産を可能にする考えだ。量産開始は、2018年10月から19年3月の間になるとしている。
液晶用ガラス市場は、今後3年は平均5%程度の成長が続くとみられている。旭硝子では、その後も11世代への移行で堅調な需要が見込めると判断、専用拠点の新設に踏み切る。
同社は、下工程にあたる研磨などの加工でも、液晶パネル大手の華星光電(CSOT)と組み、同じ広東省の深セン市に11世代専用工場を新設する方針だ。
液晶用ガラスは建設用などに比べて製造が難しく、参入障壁が高い。このため中国メーカーは市場に入り込めておらず、米コーニングが約5割、旭硝子が2~3割のシェアを持つほか、3位には日本電気硝子がつけている。