造船向け自動溶接システムを神鋼が開発 人手不足に対応

神戸製鋼所が開発した造船業向けの自動溶接システム
神戸製鋼所が開発した造船業向けの自動溶接システム【拡大】

 神戸製鋼所は4日、造船業向けに溶接作業を自動化できるシステムを開発し、販売を始めたと発表した。すでに国内の一部造船所で試験導入しており、作業時間を約2割短縮できたという。生産性向上だけでなく、国内で深刻化する人手不足の対策にも役立つとして、年間5システムの販売を目指す。

 開発したのは、船の骨格にあたる大型部品「船体ブロック」を溶接するシステム。ロボットに溶接方法を覚え込ませるためのソフトウエアと、作業を行うアーム型ロボット、溶接材料のワイヤなどで構成される。

 3次元CAD(コンピューター支援設計)で作成した船の設計図から溶接箇所を自動で抽出し、ロボットに遠隔で作業内容を教え込む。ロボットは、モーターやケーブルをアーム内部に収納するなどして小型化し、狭い場所での作業や移動を可能にした。ロボット4体を含むシステムの価格は1億6000万円。

 神鋼によると、従来は現場担当者が実際にロボットを動かして溶接方法を覚え込ませていたという。また、今回のシステムにより、船首と船尾を除いた部分の船体ブロックは、作業をほぼ自動化できるとしている。

 国内の造船業界では、団塊世代の大量退職などで熟練技術者が減少している。世界的な海運不況で需要も激減しており、日中韓のメーカーによる競争が激しさを増している。