キリンビバ、ペットボトル容器「3ミリ」減 積載効率向上でCO2排出削減へ (1/2ページ)

パレットに積載された新容器が入ったカートン(同社提供)
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  • パレットに積載された新容器が入ったカートン(同社提供)

 飲料大手のキリンビバレッジが輸送効率の向上を通じ、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に取り組んでいる。ペットボトル容器の見直しにより積載効率を高め、省エネ化、物流効率の向上にもつなげたい考えだ。

 3ミリ減で効果は2割

 今年3月、同社は環境に配慮したパッケージの導入の一環として、1.5リットルの炭酸飲料用大型ペットボトルの仕様を変更した。変更のポイントは胴部分の直径を従来比3ミリ減の89.5ミリにしたことだ。わずか3ミリの仕様変更だが、「CO2排出量削減効果は約2割」(生産部SCM担当の高村信宏担当部長)と、環境面の効果は大きい。

 通常、炭酸飲料やビールなどはトラックなどに積む際、商品複数本が入った段ボール箱(カートン)をパレット(面積は90センチ×110センチ)と呼ばれる荷役台に載せる。飲料メーカー各社は積載効率を高めるため、パレット上に隙間なく荷物を積載しようと容器のサイズやカートンの大きさなどを改良している。パレット上にできる隙間はいわば“無駄”となるからだ。

 同社のパレットに占める積み荷の占有率は水やお茶などが入った2リットル入りペットボトルが90%を超えているのに対し、1.5リットルの炭酸飲料用ペットボトルは約80%にとどまっていた。つまり約20%も無駄が生じていたことになる。

 2リットルのペットボトルと1.5リットルの炭酸飲料用ペットボトルで大きな差が生じてしまった理由は、「角型」と「丸型」という容器の形状の違いにある。

 炭酸飲料は飲料の中身に溶け込んでいる炭酸ガスの影響で、容器の内側から外側へ圧力が強くかかる。このため、炭酸飲料の容器は、圧力が均等に分散する丸型状に設計する必要がある。理想の形状は球型だが、容器として自立しないため採用することが難しい。

新容器の導入で占有率は約100%に