300億円でアフリカ市場布石 三井物産、ETCグループに資本参加

 三井物産は20日、中東・ドバイに本社を置くインド系の食品加工会社、ETCグループに資本参加すると発表した。まず来年3月に22.4%を出資し、2年以内に30%前後にまで引き上げる。株式取得額の総額は約300億円に上る見通し。資源以外のアフリカ投資では最大で、将来の成長市場であるアフリカに布石を打つねらいがある。

 ETCは、ケニア発祥の印僑系企業。印僑が人脈を持つ東アフリカやインド洋周辺36カ国のネットワークを活用してアフリカ市場を開拓している。

 ETCは、農家に農薬や肥料など農業資機材を提供し、農家から雑豆などを集荷してインドなどに加工販売している。

 三井物産は資本参加を機に、アフリカで農家向けの土壌改良の提案と組み合わせた肥料、農薬販売など営農指導も行うほか、業務提携先のロシア食料会社の穀物も販売する。

 近く本社に組織横断的な専門部隊も設置するほか、数人の取締役をETCに派遣し、経営基盤を強化する。分散型電源やインフラなどETCの事業多角化にも貢献する。