アクティオ、林業向け管理システム提供 現場データ即時確認で適切指示 (1/2ページ)

作業現場から端末を通じて簡単に業務報告ができる山林業務管理システム「フォレストモバイル」
作業現場から端末を通じて簡単に業務報告ができる山林業務管理システム「フォレストモバイル」【拡大】

 建設機械レンタル大手のアクティオは、林業向け管理システムを12月1日から提供する。作業現場からスマートフォンやタブレット端末などを活用し、作業状況や日報などを管理監督者にリアルタイムで報告する。これまで感覚や経験則に基づく現場管理が主流だったが、具体的なデータによって作業を“見える化”することで業務が大幅に効率化され、負担軽減と人手不足解消に役立つと期待されている。

 山林業務管理システム「フォレストモバイル」は作業員が個人の端末から作業時間、機械稼働時間、出荷量、進捗(しんちょく)率といった日報を現場から入力する仕組み。電波の届く場所であればどこからでも送信できる。管理監督者は日報データをリアルタイムで受信できるため、作業の状況を確認しながら適切な指示を現場に伝えられる。

 従来作業員は現場から事務所に戻ってホワイトボードに記載するか、パソコンへ入力する方法が一般的だった。しかし移動やその後の入力作業が、時間的にも業務量としても負担となっていた。管理システムを導入することで作業員は事務所に立ち寄る必要がなく、自宅と現場を行き来すればいいので大幅な時短につながる。管理監督者は現場からの入力データを基に瞬時に出来高や進捗を把握でき、翌日の工程予定などの指示がしやすくなる。従来の紙ベースでは集計に3日かかっていたが、1日かからずにはじき出せる。

 林野庁によると国内の林業産出額は1980年の約1兆2000億円をピークに減少し、近年は約4000億円で推移している。事業者は小規模・零細が9割を占める。従事者も長期的に減り、慢性的な人手不足に悩まされている。全産業平均と比べ高齢化率が高いものの、若年率も上昇傾向で平均年齢は若返っている。