電機各社、IoT(モノのインターネット)に注力 世界市場2030年に約2倍の404兆円へ (1/2ページ)

IoT世界市場規模の見通し
IoT世界市場規模の見通し【拡大】

  • 10月に開かれた「シーテック・ジャパン2017」では、各社が人工知能(AI)や「モノのインターネット(IoT)」を融合した未来の暮らしを紹介した

 電機各社が、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」関連事業を成長のエンジンに据え、取り組みを強めている。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、IoTの世界市場規模は2030年には16年の約2倍の404兆円に達する見通し。少子高齢化を受け、介護や医療への導入が加速しそうだ。

 日立製作所はIoTを成長の牽引(けんいん)役に据える。顧客企業から生産や物流のデータを集め、人工知能(AI)の解析を加えて業務の効率化を指南する事業を展開。関連事業の売り上げ規模は17年3月期の9000億円から19年3月期には1兆500億円に伸ばす計画だ。日立のIoT基盤を活用してトヨタ自動車は工場の生産性を効率化する協業を開始。東原敏昭社長は「顧客の技術革新のパートナーになることが日立の方向性だ」と語る。

 分野別では介護・医療分野へのIoTの導入拡大が見込まれ、30年の世界市場規模は22.3兆円になる見通しだ。IoTとセンサー機器などを組み合わせた高齢者見守りサービスや、介護ロボットなどの活用が広まるとみられる。