ミサワホーム、JAXAと新技術研究 「月面の住宅」 昭和基地での成果応用 (1/2ページ)

南極の昭和基地での建物施工。厳しい環境下で培った施工技術を、宇宙でも開花させようとしている
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 ミサワホームが、月面での有人基地開発に向けた一歩を踏み出した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した、宇宙探査に応用できる技術の研究開発提案事業に採択されたのに伴い、社内横断型の専門プロジェクトを発足。JAXAと共同で約3年かけて新技術を研究する。ミサワホームは約半世紀にわたって、南極の昭和基地の建物建設にかかわってきた。地球温暖化などを踏まえ「人類は急いで別の惑星に移住することを考え、実行しなければならない」と警告したホーキング博士の発言が注目される中、南極でのプロジェクトを通じ培ってきた技術を発展させ、さらに厳しい条件下での実用化を目指す。

 昭和基地36棟手がけ

 昭和基地には56棟の建物があり、このうち36棟をミサワが手がけている。その過程で得られた技術や生産のノウハウは、国内で実際に販売されている商品開発に反映されている。

 厳寒期の南極は最低気温がマイナス45度に達するが、室内は約20度とTシャツで過ごせる環境が保たれている。それを支えているのが120ミリ厚の木質断熱パネルで、風速毎秒60メートルの環境にも耐えることができる。この部材の開発を進めたことが、住宅の品質向上に結びついた。

 また、現地ではミサワから派遣された社員だけでなく他の隊員もパネルの組み立てやメンテナンスに携わる。厳しい気象条件の中、誰もが迅速に作業を進めていける構造にすることも重要だ。作尾徹也取締役は「こうした課題を克服する施工法を考えることで、省力化や生産性の高さにつながるヒントを得ていった」と振り返る。

省力化と自律に注力