富士フイルム、白黒フィルムの出荷10月に終了 82年の歴史に幕

「ネオパン」
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 富士フイルムは6日、1936年に発売した白黒フィルムの出荷を今年10月に終了すると発表した。デジタルカメラなどの台頭で需要の低迷が続き、採算が合わなくなったことから、約82年の歴史に幕を下ろす。

 白黒フィルムの出荷数量は60年代にピークを迎えたが、最近では当時の1%以下まで落ち込んでいた。富士フイルムによると、年率15~20%のペースで需要が減っていた。

 白黒フィルムは、子会社の富士フイルムイメージングシステムズ(東京)が「ネオパン」の商品名で販売している。白黒フィルム用の印画紙も2020年3月までに随時販売を終える。

 国内では、富士フイルムのほかに白黒フィルム製品を販売している企業があるため、市場から完全に姿を消すわけではないという。