--高校卒業後、独立されます
伊川 卒業後1年、赤目自然農塾で勉強させてもらいながら、奈良県東部に茶園と畑を借りて、「健一自然農園」を開園しました。最初は、お茶の販売よりも、畑で作っていた野菜の販売が事業の中心でした。
--どうやって野菜を販売したのですか
伊川 自然栽培の野菜を何種類も詰めた箱を毎週宅配するサービスを始めました。1週間1700円です。
--すぐ軌道にのりましたか
伊川 全く! 地元の駅は恥ずかしいので、隣町の駅前で、手書きのチラシを配りましたが、お客さんが集まらない。あるとき、レタスを大量に収穫できたのですが、その処理に困り、トラックにレタスを積んで住宅街を回りました。レタスを無料で配って宣伝しようと。でも、インターホンを押してもなかなか家の中から出てくれない。仕方なく、今度は、家の庭の水やりをしている人に声をかけて、レタスを配りながら宣伝しました。契約は15軒ほどに伸びましたが、もうけはありませんでした。
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いかわ・けんいち 昭和56年、奈良県大和郡山市生まれ。健一自然農園代表。平成13年に19歳で自然農園を始め、現在は約12ヘクタールの茶園で農薬肥料を使用しない自然栽培茶を生産し、国内外で販売。農業を通じて環境保護や地域おこしなどに取り組む。