【お茶で日本を温かく(2)】高校時代から自然農法 健一自然農園代表、伊川健一さん (2/2ページ)

19歳で自然農園を始めた伊川健一さん。最初は野菜の販売が事業の中心だった(渡辺恭晃撮影)
19歳で自然農園を始めた伊川健一さん。最初は野菜の販売が事業の中心だった(渡辺恭晃撮影)【拡大】

 --高校卒業後、独立されます

 伊川 卒業後1年、赤目自然農塾で勉強させてもらいながら、奈良県東部に茶園と畑を借りて、「健一自然農園」を開園しました。最初は、お茶の販売よりも、畑で作っていた野菜の販売が事業の中心でした。

 --どうやって野菜を販売したのですか

 伊川 自然栽培の野菜を何種類も詰めた箱を毎週宅配するサービスを始めました。1週間1700円です。

 --すぐ軌道にのりましたか

 伊川 全く! 地元の駅は恥ずかしいので、隣町の駅前で、手書きのチラシを配りましたが、お客さんが集まらない。あるとき、レタスを大量に収穫できたのですが、その処理に困り、トラックにレタスを積んで住宅街を回りました。レタスを無料で配って宣伝しようと。でも、インターホンを押してもなかなか家の中から出てくれない。仕方なく、今度は、家の庭の水やりをしている人に声をかけて、レタスを配りながら宣伝しました。契約は15軒ほどに伸びましたが、もうけはありませんでした。

     

 いかわ・けんいち 昭和56年、奈良県大和郡山市生まれ。健一自然農園代表。平成13年に19歳で自然農園を始め、現在は約12ヘクタールの茶園で農薬肥料を使用しない自然栽培茶を生産し、国内外で販売。農業を通じて環境保護や地域おこしなどに取り組む。