「知財の専門家がいなければ、世界では戦えない」と話す山中伸弥教授=京都市左京区(安元雄太撮影)【拡大】
【特許ウォーズⅣ~チーム山中の奮闘】(4完)
世界中で今、IT(情報技術)やバイオなど最先端技術の特許をめぐる争いが起こっている。そのひとつが「万能細胞」と呼ばれる人工多能性幹細胞(iPS細胞)だろう。iPS細胞の生みの親、京都大学の山中伸弥教授に海外での特許取得の現状や特許戦略における日本の課題などについて話を聞いた。(板東和正)
--米国での特許取得の難しさは
「米国は、特許において最初の発明者に権利を与える『先発明主義』を採用している数少ない国。私たちが最初に米特許庁に出願しても、他の研究グループが『アイデアを生み出したのは、こちらが先』と申し出れば難しい局面に陥る」
--米国では、日本の特許戦略が不利ということなのか
「特許の世界は完全に中立だとは思うが、やはりホーム&アウェイを感じざるえない。スポーツでも実力が同じなら、ホーム側が有利で、アウェイ側が厳しくなる。私たちはアウェイの戦いをしている」
--iPS細胞の今後の特許戦略のポイントは