駅の「立ち食いうどん・そば」の数が減っている。かつて小さな駅でも見られたが、最近は大きなターミナル駅に行かなければなかなかお目にかからなくなった。そんな中、南海なんば駅(大阪市中央区)では、50年近く続く店がある。開店以来、はしを塔のように積み上げる「はしタワー」で有名。普通のゆでめんのうどん、そばを扱うが、うどん文化とされる関西で、なぜかこの店の販売量はそば2に対しうどんは1。ほかにも追加料金なしで中華めんに変更できることなど、ユニークな点が多い。それらのワケを探ると…。(張英壽)
全国ここだけ?
南海なんば駅構内にある「南海そば」。店内に入ると、ほかの店にはまずない形状のものが視界に入ってくる。
割りばし入れからはしがはるか上に飛び出し、花のような先広がりのタワーを形成している。高さは50、60センチもあり、店内にいくつも置かれている。中に入っているはしは500~600本。ふつうに入れると100本程度といい、その5、6倍あるわけだ。
「はしをこんな形にして置いているのは全国でもここだけでしょう。遠方からこの割りばしを目当てに、来店するお客さんも多いんです」