「まだ分からない」。理化学研究所が27日、STAP細胞の有無を調べる検証実験の状況を説明した記者会見。「あります」と小保方晴子研究ユニットリーダーが明言してから4カ月余りが過ぎたが、再現どころか、存在の可能性も言及できず、幹部は歯切れの悪いコメントに終始した。
300人以上の報道陣が詰めかけた東京都墨田区の会見場。責任者の相沢慎一特別顧問は、こわばった表情で「検証実験のほとんどは検討途中」との説明を繰り返した。STAP細胞が存在する可能性についても「当たりがある宝くじとは違う」と横に首を振った。
丹羽仁史(ひとし)プロジェクトリーダーも「手ごわいです」と吐露。「ただ、まだ白黒ついてないので、引き続き検証を進めたい」と硬い表情で語った。
一方、野依(のより)良治理事長は、発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長の自殺に触れ、「なぜ生前の苦しみを共有、緩和しつつ、悲劇的事態を回避できなかったのか、悔恨の極み」と沈痛な表情を見せた。
自らの進退について問われると、「どうすればよかったのか自問しながら生きている。この思いを一生背負っていく」と」と述べ、続投で職責を果たす意向を示した。