日本にとって最適な電源構成を考える (2/4ページ)

2015.4.2 05:00

市川眞一氏

市川眞一氏【拡大】

  • 松本真由美氏

 松本 日本のエネルギー自給率はわずか6%程度で、エネルギー需給構造が脆弱(ぜいじゃく)です。さらに海外からの燃料輸入に依存している状況ですが、最近のイスラム過激派の動きから中東情勢の緊迫度はいっそう増していく可能性があり、今後も安定的に燃料を調達していけるか楽観できません。原子力発電について、私は中立の立場ですが、安全性の確保を大前提に多様な意見に耳を傾け、安全保障などさまざまな観点から考えていく必要があると思っています。

 --経済産業省の有識者会議でベストミックスの議論をしていますが、電源比率の決定にあたっては何を重視すべきだと思いますか。

 市川 私がぜひお願いしたいのは、実現可能なことを前提に議論をしてほしいということです。30年時点では、技術革新が進んだ結果として、電源構成が想定と大きく違うものになる可能性は十分にあります。とはいえ実現可能性が低いものも取り込んで検討するのは無意味です。もう一つ留意すべき点は、環境負荷の問題です。環境への負荷は、経済合理性だけでは語れない部分があります。そういう意味で例えば原子力と再生可能エネルギーで、全体の5割ぐらいにするというような目標設定の仕方もあっていいのではないかと思います。

 松本 省エネへの取り組みを強め、この要素もきちんと盛り込むべきでしょう。具体例を示すと日本は住宅や建物の断熱化率が先進国の中で最低ですので、まずこの部分に省エネのポテンシャルがあります。断熱基準を見直し、義務化することで一層省エネを進めることが可能になります。期待できる適切な省エネ効果を見込んで電力需要を予測し、電源別にどうするかを議論すべきでしょう。

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