東京五輪を5年後に控え、暑さ対策を強化する動きが活発になっている。真夏に開催される東京五輪では、暑さ対策が成功の大きな鍵を握るとされる。技術力をアピールする格好の場となるほか、新ビジネスの実験台にもなるだけに、官民挙げて対策に熱が入る。
「2020年以降の未来の暮らしを提案し、『おもてなしイノベーション』を世界にアピールしたい」。そう語るのは、パナソニックで東京オリンピック・パラリンピック推進本部長を務める井戸正弘役員だ。
冷涼な空間を確保
同社は昨年2月、日本企業で初めて東京五輪を含むスポンサーに決定。今年2月には、五輪に向けて暑さ対策や交通システム、災害時対策など、5つのテーマでさまざまな製品やアイデアを提案する関係者向けの展示会を開いた。暑さ対策で耳目を集めたのが、「クールスポット」である。
バス停やWi-Fiスポットといった屋根のある場所に、ミスト(霧)を吹きつけ、打ち水効果を実現する装置を搭載。風の出るエアカーテンや、遮熱パネル、水を蓄えて熱を抑える保水ブロックと併用し、冷涼な空間を確保する。