
房総半島沖の海底から採取した厚さ13センチの「コバルトリッチクラスト」=5日午後、文部科学省【拡大】
海洋研究開発機構や茨城大、高知大などのチームは5日、レアメタル(希少金属)を含む岩石「コバルトリッチクラスト」が、千葉県・房総半島の東約350キロの海底に広がっているのを確認したと発表した。面積は東京都の半分ほどの約950平方キロと推定した。
チームは4月、無人探査機「かいこう」で、海底の山の尾根を水深約1500メートルから約5500メートルまで調査。一面にコバルトリッチクラストが広がっていたため、山全体がほぼ覆われていると推定した。厚さ13センチの岩石も採取した。
チームは昨年、本州から南東に約2000キロ離れた南鳥島沖でも同様の岩石の分布を確認した。海洋機構の鈴木勝彦上席研究員は「より近海で成因や分布予測などを研究できるようになり有意義だ」と話した。将来資源として採掘する可能性を見据え、採取方法なども検討するという。
コバルトリッチクラストにはコバルトのほか、ニッケルや白金などが含まれている。