
福島第1原発事故をめぐる初公判のため東京地裁に入る東京電力の武黒一郎元副社長=30日午前【拡大】
東京電力福島第1原発事故をめぐる業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3被告の初公判が開かれた東京地裁では30日午前8時過ぎ、54席分の傍聴券を求めて717人が長蛇の列を作った。
列に並んだ埼玉県所沢市の主婦、稲村友美さん(34)は「東電幹部の言葉を直接聞きたい。重大な結果を起こした責任を誰も取らないのはおかしい」。同市の農業、村上三郎さん(65)は「原発による電力を享受していた身として、目をそむけずに真実を直視したい」と話した。
抽選が終わった午前9時ごろには原発政策に反対する団体が「これは市民の力による裁判です。東電幹部の責任追及を見守ろう」と気勢をあげた。神戸市から来た主婦、早瀬成子さん(71)は「傍聴席が少ないのが不満。被告には責任逃れをしないで真摯に向き合ってほしい」と話した。