中国で爆発的に普及する「シェア自転車」 “日本上陸”が難航する理由 (1/6ページ)

モバイクの車体にはGPSが搭載され、アプリで近くにある車両をすぐに検索できる。(写真提供=モバイク・ジャパン)
モバイクの車体にはGPSが搭載され、アプリで近くにある車両をすぐに検索できる。(写真提供=モバイク・ジャパン)【拡大】

 中国で爆発的に普及している「シェアサイクル」。街中にある自転車をその場で借り出し、好きな場所に乗り捨てられるサービスで、非常に利便性が高い。今夏、大手各社が日本上陸を発表したが、サービスの本格展開が遅れている。理由はなにか。ルポライターの安田峰俊氏がその事情を追った--。

 好きな場所で借りて、どこでも乗り捨て可能

 シェアサイクルは、この数年のうちに中国ですっかり市民権を得た新たなビジネス・イノベーションだ。スマートフォンがあれば、街中にある自転車をその場で借り出せる。利用が終わったら、街中に乗り捨ててもいい。「店舗」は存在せず、目の前の自転車を借りて、好きな場所で返せるという便利なサービスだ。

 各社により細かな違いはあるが、利用者はおおむね事前に専用のアプリをインストールしたうえで、自転車の車体のQRコードにスマホをかざして解錠する。大手各社(モバイク、ofo、ブルーゴーゴーなど)の中国国内のサービスでは、目的地に到着すれば車両はその場に乗り捨てて構わない。事前に99~299元(約1700~5000円)ほどのデポジットを払っておけば、利用料金は30分あたり0.5~1元(約8~17円)程度と極めて安価だ。

 シェアサイクルの利便性が際立つのは、乗り換えが微妙に不便な駅と駅の間の移動や、駅から自宅・オフィスなどへの移動である。公共交通機関ではカバーしづらい「最後の1キロ」の移動を安価に実現するわけである。

 シンクタンクiiMediaのリサーチによると、2017年の中国のシェアサイクル市場規模は102.8億元(約1733億円)、利用者は2.09億人に達する見込みという。今年7月時点で中国全土に1600万台が投入され、年内の2000万台突破も確実視されているとの報道もある。サービス登場からわずか2年ほどで、信じ難い急成長を遂げているといえよう。

 各社の日本上陸と意外なもたつき

 こうした中国のシェアサイクルは、今夏、大手各社が日本上陸を発表している。今年6月にはモバイクが福岡市に日本法人を設立し、市の関係者らと共同記者会見を開催した。8月23日からは札幌市で試験的にサービスを開始している。また8月には同じく大手のofoがソフトバンクC&Sと提携して9月から東京や大阪でサービスを開始すると発表した。

「サービスを開始するかの結論はまだ出ていません」