災害時、パスワードなしで無線LANを開放 埼玉・戸田市が初認定

公衆無線LAN提供事業者の認定証を受け取る埼玉県戸田市の神保国男市長(右)=25日午後、戸田市役所
公衆無線LAN提供事業者の認定証を受け取る埼玉県戸田市の神保国男市長(右)=25日午後、戸田市役所【拡大】

 埼玉県戸田市は自治体として初めて、地震や台風などの災害時にパスワードなしでインターネットに接続できる公衆無線LANの提供事業者として認定された。通信事業者などで構成する「無線LANビジネス推進連絡会」(東京)が25日、認定証を授与した。

 災害時、インターネットを利用する際に統一ネットワーク名「00000JAPAN」を選択すると、契約している通信会社に関係なく、戸田市が提供している公衆無線LANが無料で使える。

 昨年4月の熊本地震や今年7月の九州北部豪雨など大規模災害時には、携帯大手がこのサービスで公衆無線LANを無料開放した。自治体が提供事業者となることで、局所的な災害でもきめ細かく開放の判断ができるほか、避難所の開設に併せた運用もできるようになる。

 市は小中学校18校に公衆無線LANの機器を設置済みで、今後は避難所などとして使われる公共施設20カ所で整備を進める。神保国男市長は「災害時に有効な情報収集手段を確保でき、非常に心強い」と話した。