平成27年卒業予定の学生の就職活動が本格化している。応募する企業を選ぶときに注意したいのが、若者を使い潰す「ブラック企業」だ。有識者らでつくる「ブラック企業対策プロジェクト」のメンバーで、法政大学キャリアデザイン学部の上西充子教授にブラック企業の見分け方を聞いた。(油原聡子)
労働条件確認を
同プロジェクトは昨年9月、労働や教育などの専門家が集まり、発足。日本社会からブラック企業をなくすことを目指している。「新興産業で、若者を大量に採用し、過重労働、違法労働によって使い潰す」企業をブラック企業と定義している。
上西教授は「ブラック企業を見分けるには雇用契約の基本を知り、客観的なデータを読み解けるようにしましょう」と話す。
今の時期、就活生が注意した方がいいのが企業の募集要項だ。上西教授は「学生は労働条件はあまり気にせず、やりたいことを考えがち。でも、やりたいことでも労働条件が悪いと続けられないから、しっかりと確認してほしい」。
募集要項で確認したいのが給与額。残業代が込みなのか、基本給なのか、分かりにくい表記も多々ある。例えば、「給与 大卒22万円(月30時間を超えた時間外労働には別途手当あり)」という表記の場合、月30時間までの残業は22万円に含まれていると考えられるからだ。