春闘方針を決定した中央委員会であいさつする連合の神津里季生会長=27日、千葉県浦安市【拡大】
連合は27日、千葉県浦安市で中央委員会を開き、2016年春闘で、賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)について「2%を基準」として要求する方針を正式に決定した。ベア要求は3年連続。働いた年数に応じて賃金が増える定期昇給分も例年通り2%確保を求めており、合わせて4%程度の賃上げ要求となる。
神津里季生会長は「デフレ脱却に向けた流れを本格化させ、継続性、持続性を発揮させるためには来年の春闘での賃上げが重要」とあいさつした。
連合は15年の春闘で「2%以上」のベアを要求しており、来年も同水準となる。さらに中小企業の労働者や非正規労働者の賃金水準の底上げに向けた取り組みも強化する。
連合は来年の春闘では取り組み方を大きく変える、従来通り月例賃金の引き上げを重視するが、それ以上に「全ての働く人の賃金の底上げと格差是正」に重きを置く。大手企業が春闘相場を引っ張り、それに中小や地場企業が追随するこれまでの春闘に対し、「大手追従の構造の転換を図る」(神津会長)。