昨年12月から始まった従業員のメンタル不調を未然に防ぐ「ストレスチェック制度」で、厚生労働省が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」は、本人のストレス要因、ストレス反応のほか、周囲のサポート状況についても回答させている。業務を1人で抱え込む状況を避けるためだが、発症してしまえば、会社ではなく従業員自身が治療するしないの判断をするしかない。
〔前回まで〕光トポグラフィー検査で鬱診断 問診を補完する客観的データ
「職業性ストレス簡易調査票」は、ストレス要因として仕事の量的負担・質的負担・身体的負担度・対人関係・適性など9項目、ストレス反応として活気・イライラ感・疲労感など6項目を質問し、自分自身の状態について、良い・やや良い・普通・やや悪い・悪いの5段階で回答させている。
さらに周囲のサポート状況として上司、同僚、家族・友人について尋ねている。周囲のサポートを得られないまま、業務を1人で抱え込んでしまうことで、メンタルを害するリスクが上昇するからだ。
昨年11月に鬱(うつ)病と診断され、今年2月に職場復帰した映像製作会社に勤める30代の男性社員は、周囲から「好奇心の塊」と評されるほど自身の仕事を天職のように感じていたという。他の社員の1.5倍の仕事量をこなし、それでも嬉々として取り組んでいたそうだ。