■“秋休み”子供も多忙で非現実的
「働き方」に続き、今度は「休み方」改革を国が主導して進めるらしい。有給休暇の取得率向上や、夏休みを短縮し、他の時期にまとまった休みを取る「キッズウイーク」の導入を目指すようだ。しかし、「キッズウイーク」に関しては、あらゆる角度から考えても賛成しかねる。
その理由は、第一に地域差はあるものの、夏の暑さが残る8月末に休みを短縮し、学校を再開することが子供のためになるのだろうかということである。
一部の自治体では、授業時数を確保するため、土曜授業を実施したり、夏休みを短縮し2学期の開始を早めたりしているところもすでにある。北海道は、気候の特性に合わせて冬休みを長くし、夏休みを短くしている。しかし、北海道や東北地方の豪雪地帯など一部地域を除き、その他多くの、夏の暑さが厳しい地域で、休みを短縮し、学校を再開するのは、一体どういう価値があるのだろうか。
第二に、秋の行楽シーズンに短縮した分の休みを親子で取得し、家族の時間を増やすというが、未就学児ならまだしも、学齢期に達している子供たちには不可能だ。
2学期に学校行事が集中し、まとまった休みを作るとなれば、年間を通じた学校スケジュールの大幅な組み直し、引いては教育内容の再検討など、膨大な見直しが必要となる。中学以上になれば、中間や期末テストもある。文化祭、運動会など、兄弟姉妹、それぞれの学校や部活のスケジュールを調整し、両親の仕事も調整し、学期中に家族が一斉に数日間の休みを取ることなど、絶対にできないと言ってよいだろう。