認知症の人と信頼築くコミュニケーション術「ユマニチュード」 家族の介護ストレスが改善 (3/3ページ)

                   

 健康長寿の新ガイドライン 都センターが策定、出版

 高齢になっても元気でいられる人と、そうでない人がいる。両者はどこが違うのか-。

 そんな健康長寿の鍵を探る疫学研究を続けている東京都健康長寿医療センター(井藤英喜理事長)が、国内外の成果を踏まえ、健康長寿を延ばすのに有効と考えられる方策を専門家の解説とともにまとめた「健康長寿新ガイドライン エビデンスブック」を刊行した。

 ガイドライン策定委員長を務めた同センター研究所の新開省二副所長は「高齢者の健康を考えるには、中年期までのように病気の有無に最重点を置く態度では不十分。別の要因も大事だと分かってきた」と話す。

 新ガイドラインは、高齢者の健康に大切な12の課題を取り上げ、達成したい目標や生活のポイントなどを示した。例えば「食生活」と「口の健康」では、中年期までは問題とされる肥満よりも高齢者では、やせや栄養不足の方が深刻だとして、体格指数(BMI)20以上の体重を維持することや、かむ力を守ることの大切さなどを強調。「体力・身体活動」では筋肉を落とさないことの重要性を説き、望ましい運動量などを示した。

 他の課題は「社会参加」「事故予防」「地域力」「認知症」「生活習慣病」など。それぞれ複数の専門家が、注目の研究データを紹介しつつ提案をまとめており、自治体や地域で高齢者の保健事業に携わる専門職らに活用してほしいという。

 新開さんによると、高齢者では、心身の機能だけでなく、生活する力や社会との関わりも評価する「機能的健康」という考え方が重要になっている。「機能的健康度が高い高齢者を増やす努力を続けたい」と話している。