【高論卓説】ピント外れの「残業代ゼロ法案」批判 高度人材を生かせぬ硬直した思考 (1/2ページ)

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 政府の働き方改革関連法案に含まれる「高度プロフェッショナル制度」に、立憲民主党など野党は「残業代ゼロ法案」と決めつけて早速反対している。一部の新聞も同調するが、ピント外れではないか。

 この高プロ制度は、年収1075万円以上の高度専門職について、働きを成果で評価して労働時間規制の適用を除外するというものである。労働組合の中央組織、連合は裁量労働制の対象拡大と併せて反対している。

 「残業代ゼロ法案」と聞くと、一般のサラリーマンはとんでもないと思うかもしれない。野党は、選挙で連合の支援を当てにして、刺激的なレッテルを貼って反対しているのだろう。俗耳に入りやすい言葉である。

 だが、「年収1075万円以上」の労働者はどれだけいるのか。連合の首脳は傘下の組合員には「たぶんいないだろう」と言う。反対するのは、いったん導入されたら、いずれ年収制限が下げられ、労働組合員にも適用されると警戒するからだ。

 労働者保護の観点から、早手回しに将来を心配しているわけである。しかし取り越し苦労ではないか。高プロ制度は、主体的に働き、勤務時間と成果が比例しない働き手が対象だ。工場のライン作業やオフィスで定型的な業務に従事する労働者には、基本的に適さない。

 一方で、働き方改革関連法案には残業時間の上限規制が盛り込まれている。これは工業化が始まって以来、さまざまな問題を経て進められてきた労働者保護政策の一環である。過労死・過労自殺問題が、一つの引き金になった。

イノベーションは期待できない