介護人材不足　担い手育たず待遇改善急務　政府、賃上げやロボット導入を後押し (1/2ページ)

　介護分野の人手不足は深刻で、政府の調べでは２０１６年の有効求人倍率は３倍超と全職業の１．３６倍を大きく上回った。高齢化が加速する中、深刻さが増すのは確実で、政府は賃上げなどの待遇改善による職員確保やロボット導入による職員の作業負担軽減を進める。

　一方で、政府は外国人労働者の受け入れ拡大に向けた制度改正の検討も始めたが、無制限な受け入れは社会的摩擦を招きかねず、慎重な議論が求められる。

　内閣府の「１７年版高齢社会白書」によると、介護分野の有効求人倍率は１０年の１．３１倍以来、毎年増加を続け、１６年には３．０２倍に達した。全職業の有効求人倍率の２倍以上の水準で推移しており、介護分野の担い手不足の現状が浮き彫りとなった。担い手不足の理由の一つが、介護業界の賃金の低さだ。厚生労働省の調査によると、介護職員の平均給与は月額約２６万２０００円で、全産業平均の約３６万２０００円を１０万円下回った。

　政府は待遇改善のため、１８年度は介護サービスの公定価格となる介護報酬を０．５４％引き上げた。介護事業者の経営を改善し、職員の賃上げにつなげるのが狙いだ。１９年１０月からは１０００億円を投じ、勤続１０年以上の介護福祉士について、月額平均８万円の待遇改善を行うとしている。

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