妊産婦の孤立防止 子供の死亡減少へ死因情報収集 成育医療基本法案全容判明 (2/2ページ)

河村建夫氏
河村建夫氏【拡大】

 また、地域や学校には、児童虐待の予防や早期発見に向け、成育過程にある人や妊産婦への健康診断の適切な実施や、心身の健康に関する相談支援の体制整備などを促す。

 保護者に対しては「必要な成育医療などの提供を受けられるように配慮するよう努めなければならない」と明記した。

 成育過程にある人が死亡した場合、死亡原因に関する記録の収集、管理、活用を行う体制の整備も盛り込んだ。児童虐待による死や、子供の不慮の事故や病気による死の原因を詳細に分析し、再発防止に生かす狙いがある。欧米では制度化され、CDR(チャイルド・デス・レビュー)と呼ばれている。

 基本法案をめぐっては、日本医師会や日本産婦人科医会、日本小児科医会などが長年、制定の必要性を訴えてきた。少子高齢化により妊娠や出産、子育ての環境が悪化することが懸念されるためだ。基本法が制定されることで、妊産婦のメンタルヘルスに関する支援や周産期母子健診事業の強化などが期待される。