理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のチームが、マウスを使い、さまざまな組織や細胞になる能力を持つ「万能細胞」を新たな手法で作ることに成功しました。体細胞を弱い酸性の溶液に入れることで刺激を与えて作るもので、「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得」の英語の頭文字から「STAP(スタップ)細胞」と命名しました。
Q どんな細胞なの?
A マウスや人などの生き物では、1個の受精卵が分裂を繰り返して増え、皮膚や脳、心臓などたくさんの種類の細胞へと成長します。受精卵が、一度特定の細胞に成長すると元には戻りません。チームはいったん成長した体の細胞を、受精卵のような状態に巻き戻して初期化する新しい方法を見つけ、できた細胞を「STAP細胞」と名付けました。さまざまな種類の細胞になれる万能細胞であることも証明しました。
Q 万能細胞ができたのは初めて?
A これまでにも山中伸弥京都大教授が作りノーベル賞を受賞した人工多能性幹細胞(iPS細胞)や、受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)がありました。