1890年、東京美術学校の校長に就任した天心(竹中直人)のもとでは、春草、横山大観(中村獅童)、下村観山(木下ほうか)、木村武山(橋本一郎)の学生が互いに切磋琢磨し日本画の修業に明け暮れていた。ところが、エリートコースをひた走ってきた天心は次第に勢力を強める西洋画派と対立。ほどなく上司の妻(神楽坂恵)と不倫関係にあった天心を中傷する怪文書がまかれ…。
写真からイメージわいた
平山は出演の打診を受けるまで春草という人物を知らなかった。役作りで調べてみると、将来を期待された天才だったことが分かり、ますます興味がわいた。「そんな方を演じさせてもらえるなんて自分は幸せだ」とも思った。では春草をどう演じるのか。残された資料もきっと少ないに違いない。「他の弟子たちと一緒に絵を描いている写真が残っていたんですよ。映画の中でもその写真と同じ構図でその場面が盛り込まれています。1人だけレンズを見ている春草の顔をみたら、イメージがわきました。春草の心は繊細だけれども、奥底に秘めた闘志のようなものがある。そんな人物に演じられたらいいなと考えました」