北米市場では、日本車メーカーが得意の中小型車で米国勢のシェアを切り崩してきた。だが、景気の緩やかな改善に加え、「シェール革命」に伴うガソリン価格の落ち着きもあり、高級車の人気が戻りつつある。
ビッグ3反転攻勢
北米トヨタのレンツ氏は「大型車や高級車に顧客の目が向いているのは確かだが、小型車にも依然強いニーズがある。要はバランスだ」と大幅な方針転換には慎重だ。だが、高級車とともに、米メーカーが得意とする大型車も“復権”を果たしつつある中で新たなテコ入れは避けられない。
米ビッグ3は金融危機以降、多くの大型車の開発を中止し、中小型車の強化に追われたが、今回は米ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが新型のピックアップトラックを発表した。フォードのムラーリー最高経営責任者(CEO)は「まだ進化する」と鼻息が荒い。
GMは公的管理から完全に脱却、15日にバーラ氏が自動車大手初の女性トップに就任する。経営体制の刷新を機に「一層攻勢を強めてくる」(日本車メーカー)と各社は警戒感を強めている。(デトロイト 柿内公輔/SANKEI EXPRESS)