奄美大島には「7代先のことを考えて、ことを起こしなさい」という言い伝えがあるそうです。7代先というと、仮に自分が30年だけ生きるとすると、200年ぐらいのスパンで今を考えなさいということなんですよね。昔は自分たちが生きるために大地に果樹を植えるのではなくて、自分たちの孫が食べるためにおじいちゃんが植えてくれたとか。結構、そういうお話があるんですよ。
現代人にはそういう発想があまりないなあとつくづく思いました。現代人は今がよければそれでいいという感覚が結構あり、それがすべて間違いとも言い切れないですが、7代先を見据えた時間軸はないですね。それは忘れてはならない先人たちの知恵ですね。「2つ目の窓」に出てくる少年と少女が純真無垢(むく)に生きてつながり合えることは、その先の世代をも豊かに育むことができるんだなと感じています。
私は男女は絶対に違うもので、互いに理解しがたいものだと思っているのですが、映画に出てくるこの無垢な少年と少女が気持ち、精神、魂のレベルで本当につながり合えることを描ければ、結局は他者を認めることの大切さへと話がつながっていきます。